映画『浅田家!』 明るい性格とSKAで困難を乗り切るノンフィクション!!

写真家・浅田政志の写真集『浅田家』と『アルバムのチカラ』を原案として制作されたノンフィクション作品。

第44回日本アカデミー賞優秀作品賞受賞作品です。

黒木華さんが最優秀助演女優賞、二宮和也さんが優秀主演男優賞、妻夫木聡さんが優秀助演男優賞、などを受賞している作品でもあります。

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映画『浅田家!』公式HP

この映画こんな方におすすめ! ~鑑賞のススメ~

  • フリーターの方
  • 写真家の方
  • 何か一つ大切なものを持っている方

作品あらすじ

幼いころ、写真好きの父からカメラを譲ってもらった政志(二宮和也)は、昔から写真を撮るのが大好きだった。

そんな彼が、家族全員を巻き込んで、消防士、レーサー、ヒーロー、大食い選手権……。

それぞれが“なりたかった職業”“やってみたかったこと”をテーマにコスプレし、その姿を撮影したユニークすぎる《家族写真》が、なんと写真界の芥川賞・木村伊兵衛写真賞を受賞!

受賞をきっかけに日本中の家族から撮影依頼を受け、写真家としてようやく軌道に乗り始めたとき、東日本大震災が起こる――。

かつて撮影した家族の安否を確かめるために向かった被災地で、政志が目にしたのは、家族や家を失った人々の姿だった。

「家族ってなんだろう?」「写真家の自分にできることは何だろう?」シャッターを切ることができず、自問自答をくり返す政志だったが、ある時、津波で泥だらけになった写真を一枚一枚洗って、家族の元に返すボランティア活動に励む人々と出会う。

彼らと共に《写真洗浄》を続け、そこで写真を見つけ嬉しそうに帰っていく人々の笑顔に触れることで、次第に《写真の持つチカラ》を信じられるようになる。

そんな時、一人の少女が現れる。

「私も家族写真を撮って欲しい!」それは、津波で父親を失った少女の願いだった――。

(Filmarksより)

淺田家!オフィシャルHPより

キャスト

浅田政志:二宮和也(少年時代:岩田龍門)


浅田幸宏:妻夫木聡(少年時代:中川翼)


川上若奈:黒木華


小野陽介:菅田将暉


外川美智子:渡辺真起子


渋川謙三:北村有起哉


浅田和子:野波麻帆


浅田章:平田満

浅田順子:風吹ジュン


姫野希美:池谷のぶえ


内海莉子:後藤由依良


松澤匠


篠原ゆき子


駿河太郎

人物相関図

淺田家!公式HPより

解説・感想

写真家として自信をつけたところへ大震災が起こり、その大震災との接点から人の愛を感じ、自分の立場とやるべき事を模索していく政志。

この1人の青年の成長過程は、まるで人生の分岐点の後をつけてきたかのように訪れる使命と共に歩んでいく。

カメラと家族写真

父、浅田満はカメラが趣味で、毎年12月に息子ふたりにポーズをとらせて年賀状用の写真を撮るのが恒例になっていました。

派手な服を着せられ人前で写真を撮られるのは、兄弟にはとても恥ずかしいことでした。

政志はとても好奇心の強い少年で12歳の誕生日に父から一台のカメラをもらい、そのカメラで政志は幼なじみの少女・若菜の写真を撮り若菜の笑顔をとらえることに政志は成功する。

この初めて撮った人間の笑顔が政志の活動エネルギーとして今後の物語の展開を担っていくのです。

そしてそれがきっかけで家族の人生をも変わっていくのでした。

高校を卒業し写真の専門学校に通っていた政志は“一生で一枚”の写真が撮れたら卒業できる、と言われ家族に協力してもらうために帰ってきた。

撮った写真は昔家族に起こった出来事の再現写真、政志が10歳のときに父と兄と3人がでケガして母の働く病院で手当てしてもらった時の再現写真だ。

政志のその写真は学長賞をとり、政志は無事に卒業することができた。

ある日父に将来何になりたかったのかとたずねると父は〝消防士〟と答えます。

政志はその時突然ひらめき父の願望を写真でかなえようとする、兄に頼み込んで本物の消防車と消防服を借り父に念願の消防士の姿をさせると、家族四人で消防士になり切った写真を撮ったのだった。

次は母の願いで四人で極道のコスプレをして母を「極道の妻」に。

兄は鈴鹿サーキットを借りてレーサーの写真を撮る。

そしてこの家族写真で自信をつけた政志は東京へ行くことを決意する。

家族との出会い

上京した政志は若菜の提案から個展を開催し、その後写真集を出版をする、そして「木村伊兵衛写真賞」受賞の一報が入り、家族揃って出席した授賞式では父があいさつをし、記念撮影では政志自らがカメラを持ち出し、「授賞式」という題名の写真を撮ったのだった。

政志の写真集の巻末には〝家族写真撮ります〟という言葉と連絡先が記されていた。

それを見て依頼してきた高原家は岩手県野津町の家族、政志は車で向かった。まずインタビュー形式で家族の話をていねいに聞き取ってから撮影のシチュエーションを決めていく政志。

高原家の娘・桜の小学校入学を祝う写真は、桜が満開になる時期を待って撮影され、10秒タイマーをセットしカメラを離れると、政志は仕込んでいた桜吹雪を舞い散らせ、笑顔で花びらを見上げる高原家の家族写真を撮影した。

仕事に対して楽しい写真を撮り続ける政志だが、ある日少し今までとは勝手の違う依頼をうけた、それは重い病で入院する男の子とその家族の写真だ。

久しぶりに自宅に戻ってきた男の子は家族と一緒に、白いTシャツに虹の絵を描いていきます。

政志は描いた虹を見て喜ぶ男の子のために家族のTシャツに虹の橋をかけ、四人並んで寝転んだところを上からのアングルで写真に撮ることにし、その男の子の命がもう長くはないことを知りながら、成長を喜ぶ母の姿。。。ファインダー越しに見つめる政志の目からは涙が流れ落ちていた。

見ている私も涙があふれた、家族の生きざまというか強さというのか、その一瞬をカメラに収め写真に残す政志が素晴らしいと思った。

大震災

その日政志は富山にいた、個展の打ち合わせの為だった、そこで大きな揺れを感じ東北が壊滅的な被害を受けたことを知る。

そう、2011年3月11日 東日本大震災だ。

政志の脳裏には先日仕事で向かった岩手の家族の安否が脳裏をよぎったに違いない。

使命

4月に入り政志は車で野津町へ、カーナビの案内で高原家のあった場所に到着したはずがそこに記憶にあったはずの高原家は形はなくガレキがあるだけだった。

高原家の情報を探しに町役場にきたが手がかりはなく途方に暮れていた、そこに役場の外で泥まみれの写真を洗い、それをロープに洗濯ハサミで干している小野という一人の青年に出会う。

小野に声を掛け作業を手伝うことにした政志は、翌日もそこへやってきた。

ふたりでリヤカーを引いて町角に置かれたアルバムを回収してまわっていた時、小野は政志に、

親友が行方不明になっていること、自分はここでこんなことをしていていいのか、ひとりでは苦しくて…と辛い心情を吐露した。

小野に人を探すなら小学校へ行くことを勧められた政志だったが残念ながらそこに高原家はいなかったが、写真整理を手伝う美智子と知り合う。

政志は小野と美智子と三人で作業をしていると、ひとりの中年男性が近寄ってきて「こんなことして何の意味があるんだ!!」と怒声を浴びせてきた、そこで小野はひどく落ち込んでしまう。

様々な心理状態の人が集まる震災被災地の現状がわかるシーンだった。

ある日政志は父の写真をさがす莉子という少女に出会う、自分や妹や母の写真は見つかっても父の写真だけは見つかりません、莉子は、お父さんの写真も探してほしいと訴えます。

政志が特別扱いはできないと断るが莉子はかつて自分の家があった場所へ政志を連れていき、家族の写真を撮ってほしいと頼み込む。

莉子の手作りのアルバムには家族写真を貼るスペースに写真を撮ればいいだけの状態で「やっぱ、撮れないわ」と政志は困った顔で答えますが、怒った莉子はアルバムを政志に押し付けて走り去ってしまう。

政志が莉子の母にアルバムを返すと母は、よく言い聞かせます、と謝るのでした。

久しぶりに実家に帰ってきた政志は兄の嫁と兄も加わりにぎやかになった浅田家では父の誕生会が開かれていましたがロウソクの炎を吹き消したあと突然父が脳梗塞で倒れてしまう。

翌日、政志と若菜の結婚が決まり、さらに次の日、政志と兄は父の見舞いに行く途中に神社に回復祈願に行った、そこはかつて父が年賀状用の写真のため、息子ふたりにポーズを撮らせた場所だった。

思い出しながら二人は同じポーズをとってみると政志の目にカメラを構える父の姿が浮かんだ、「そーか!そういうことか」とひらめき、病院に行かず帰ると言い出した。

野津町に戻ってきた政志は莉子と莉子の妹、莉子の母親と家族写真の打ち合わせを始め、写真のシチュエーションは海水浴に決まった。

そして最大の感動シーンがこの家族写真の撮影でおとずれることとなる。。。

寒い中、撮影を進める政志と莉子たち、父の時計をはめた政志の腕と声が莉子たちに父親の声となって届く、涙をこらえながら笑顔になる莉子たちを写真に残すことができたのだった。

ほんとに感動するいいシーンだ、ノンフィクションだけにその写真だけでは埋まり切れない家族の思いなんかもわかる、わかるけれど写真も絶対に宝物になる、幼い莉子たちが成長した暁にはこの写真と撮影した政志の心の温かさと強さも感じることができるだろう。

莉子の写真を撮り終え野津を去る日がやってきた、小野や美智子に別れを告げ、最後にもう一度町役場を訪れると、なんと無事を知らせる高原家の伝言が見つかり政志はほっと笑顔になる。

2011年9月に、小学校での写真展示は終了したがその後小野はその小学校で教師になり、美智子は写真を返却する活動を続けていた。

最後に葬式のシーンが。。。??

シャッター音が聞こえる、、、

そうこれは政志が『お葬式』という題名の家族写真を撮っていたのだった、

そこの津の実家では新しい家族もいる幸せな家庭がありました!!

エンディング・テーマ:THE SKA FLAMESの「’S Wonderful」も明るい浅田家にぴったりの曲でした!!

何度見てもいい映画だとあらためて感じました。

以上、お読みいただきありがとうございました。

GB

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