シュールなSF世界の先にある広大なスケール! 映画『JUNK HEAD』

監督の堀貴秀さんが、たった1人で制作した事で話題になっていたSFアニメ、ジャンクヘッド

なんと7年もの歳月をかけてすべて独学で作られたそうです。

7年かかっているとはいえ、1人で映画制作となると制作技術もそうですがきっと集中力を持続させる能力とかもずば抜けている監督さんなのでしょうね。

この作品をまだ観ようか迷っている方はネタバレを気にしない方は是非ここで予習していく事をお勧めします。

言語がスペイン語で日本語字幕なのですが、CV(キャラクターボイス)もほぼすべてのキャラクターの声を監督の堀さんがされていたようです。

キャラクターごとに音声エフェクトを使用しているので、キャラの声によっては若干耳に残ってしまう方もいるかもしれません、そう感じてしまうと見る際の情報量が多くなってしまう可能性もありますので、ジャンクヘッド公式HPの情報程度は予習していくととても楽しめるかと思います。

この映画こんな方におすすめ! ~鑑賞のススメ~

  • SFホラーが好きな方
  • アニメが好きな方
  • Eテレ好きな方

作品あらすじ

孤高のクリエイター・堀貴秀が独学で7年の歳月をかけて制作し、カナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞するなど世界的に高く評価されたSFストップモーションアニメ。

原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果のすべてを堀監督が1人で担当し、総ショット数約14万コマという膨大な作業を経て完成させた。

環境破壊が進み、地上はもはや人間が住めないほど汚染された。

人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。

それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失った。

絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始。

政府が募集した地下調査員に名乗りをあげたダンス講師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。
(映画.comより)

ストップモーションアニメとは

静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしてカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる映画の撮影技法です。

懐かしい気分になる方は、おそらく昔からみんなの歌やドーモくんなどNHKで見られた撮影技法が脳裏に焼きついているせいでしょう。

堀貴秀監督プロフィール

堀貴秀さんが一人で行った担当は、

監督・原案・キャラクターデザイン・編集・撮影・照明・音楽・絵コンテ・造形・アニメーター・効果音・VFX・声優・etcです、

あらためて上げてみるとすごいですよね。

ネタバレビュー・考察

この物語は、人間が生活していた地上は住めないほど汚染されているという未来の設定です。

想像するのには暗い設定です、新型のウィルスの蔓延のため、人と人との接触をしていないのは現代と重なるところがあります。

地下に生息している人口生命体マリガンは様々な形の生命体で人間に似ている者もいれば、変異し怪物のようなマリガンもいます、この設定の時点でSF要素が満載です。

マリガンはこのように地下で独自の進化をしているため、地上で新型ウィルスによって人口が減ってしまった人間は地下で進化したマリガンの遺伝子を研究材料として採取するために地下調査に乗り出します。

地上でダンス講師の仕事をしている主人公パートンは報酬もいいことから自ら地下調査員に立候補しここから冒険が始まります。

ちなみにこの『JUNKHEAD』は3部作の予定だそうで、今回はその1作目ということでパートン達が地下のマリガンたちと一緒に変異した怪物マリガンを撃退するというのが今作の区切りとなります、

結果パートン達は激闘の末ラスボスの怪物トリムテを退治するのですが、この最後の戦いのアクションがまた感動するほど素晴らしい、細かい動きスローモーションなど一体いくつのカットで構成したんだと思うほどの完璧な出来になっていました。

久しぶりに良いSF映画に出会えてテンション上がりました。

JUNKHEAD official tralerより

まとめ

ストップモーションアニメのコミカルな動きが通常見る映画とは違うので、ユニークな映像に見惚れてしまい不覚にも序盤はストーリーがあまり入ってこなかった。

私が特にこの映画で1番凄いなと感じた技術はカメラワークです。

そもそも私のような素人が詳しくあるはずがないんだけれど、映画そのものなんですよねカメラワークが、キャラの細かい動きを追うところや、シーンの切り替え方、地上から地下に落ちるシーンのところなんかはカメラワークで迫力を引き出しているように感じました。

あとはこれもカメラ技術だと思うのですが、キャラクターに基本的に表情が無いんですがそれでも感情表現が伝わってくるんですよね。

元々仮面やマスクをかぶっていたり、目がないキャラクターもいるので表情に関しては無いのは当たり前なのかもしれません、もちろんセリフがあり口も一応動くので聴覚的な効果はあるとは思いますが、それでも不思議なくらいカメラのちょっとした動きからキャラクターの感情が観ている側に伝わってくるんですよね、これは素晴らしかったです。

映画『JUNKHEAD』はシュールな映像を超えて堀貴秀監督の想像力が伝わってくるユニークで楽しいSFホラーファンタジー映画だと思います。

GB

今回の鑑賞劇場

静岡シネギャラリー

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