ホームレス× ハウスレス○ 映画『ノマドランド』ネタバレビュー

最近日本でもテレワークの普及もあり〝ノマドワーカー〟が取り沙汰されているが、この映画『ノマドランド』は2008年のリーマンショック後の2012年前後のアメリカを舞台として制作されたノンフィクション作品です

自由に生活しているような感じがして、ちょっと憧れたりする部分もありますよね、そんなノマドワーカーの現実を知ることができる作品だと思います。

ビルは一切目にすることはありません、広大なアメリカの自然の中でのノマド生活が舞台です、社会的な作品ですが、そんな綺麗な背景も見所のひとつです。

『ノマドランド』は第93回アカデミー賞にノミネートされています、鑑賞したからというのもありますが、個人的に作品賞を取ってもらいたい映画です。

この映画こんな方におすすめ! ~鑑賞のススメ~

  • キャンパー
  • 転職する勇気がない方
  • ノマド生活に憧れている方
  • 孤独な方

作品のあらすじ

ネバダ州の企業城下町で暮らす60代の女性ファーンは、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失ってしまう。

キャンピングカーに全てを詰め込んだ彼女は、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送ることに。

毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を生きる彼女の旅は続いていく。

ネバダ州ってどこ?

アメリカ合衆国ネバダ州

米国西部に位置する州で、広大な砂漠同州最大の都市ラスベガスにある 24 時間営業のカジノや娯楽施設で有名です。

ノマドワーカーとは

ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを使い、Wi-Fi環境のある喫茶店やコワーキングスペースなど、通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人を指します。

レビュー・考察

この映画のノマド族はそういったリーマンショック震源地であるアメリカで恣意的にノマドワーカーとして生きていかなければならない高齢者達が主として描かれている。

高齢のノマドワーカーはそれぞれ個人で大きなヴァンに乗り各地で期間ワーカーとして仕事をしながら車中泊しながら暮らしている。

というと日本人の私からしたらキャンプしながら暮らすなんて面白そう!なんて興味本意な部分もでてくるのだが実際にはそんな楽しいものばかりでもないらしいです。

高齢者ノマドの中にも自らノマドになる者ノマドにならざるを得ない者、がいる。

たまにノマド同士がヴァンで集まり共同生活したりするんですが、気持ちの余裕にもこの両者には差があり、ノマド同士の中では見えづらい格差の存在を露わにしています。

身体は健康なんだけれど、周りの仲間が亡くなってくると、自分にも明らかに迫りくる寿命を少しずつ意識してしまうという、そんな高齢ノマドワーカー共通の寂しさも作中で表現されています。

昨今の世間情勢や少子化日本の厳しい将来からしても、今後生きていくために世の中の急速な変化に対応できる考えや強みとなるスキルは必要不可欠だし、それができているか否かでもし仮にこの映画のようにノマドワーカーになる(ならざるをえない)ことになっても、その先の生き方が全然かわってくるだろうしね。

私は〝ホームレス〟ではなく〝ハウスレス〟よ、と主人公のファーン。

俺たちノマドは〝さよなら〟は言わないんだ、必ず〝またどこかで〟と言って別れる、

とファーンの先輩ノマド。

コロナ過における現在において、当時のアメリカのように大恐慌寸前まで経済破綻するような状況にも対応できるようにしておかなければならないだろうし、そういった意味でこの作品は人生そのものの価値観を見直すことができた映画なのかもしれないです。

まとめ

アメリカの広大な土地をキャンピングカーで移動しながら生活する人たちを一括りにノマドワーカーと呼ぶとして、彼らがノマドワーカーとしてそこにいる理由や条件なんかは様々なんですよね。

原作はアメリカのジャーナリスト、ジェシカ・ブルーダーさんの『ノマド: 漂流する高齢労働者たち』のノンフィクション作品です。


2021年現在では新型コロナウィルスの世界的なパンデミックの影響もあり、今までのように会社へ行かなくても働ける環境(テレワーク)が急速に発展し、コロナ状況に関係なくこのテレワークに関してはこれからも推奨されていくみたいなことを聞くので、職業にもよると思いますがPCやスマホを持って自分の仕事さえ動かすことができれば、自分からノマドワーカーになる人生の選択肢ができたと言ってもいいのかもしれませんね。

今回の鑑賞劇場

静岡シネ・ギャラリー

〒420-0857 静岡県静岡市葵区御幸町11-14

今回は静岡シネギャラリーさんへ。

1Fの大劇場での鑑賞でした。

02-04 リーフレット

静岡シネギャラリーさんの建物、サールナートホール内にリーフレットがあり無料でいただけます。

今後の上映予定作品や公開日・タイムテーブル等が確認できます。

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