2人の北斎の迫真の演技に注目! 映画『HOKUSAI』

江戸時代の芸術はお上から抑制されたからこそ生まれたものなのではないだろうか、当時の芸術家は命をかけて作業したからこそ後世に残る素晴らしい作品を生みだせたのかもしれない。

映画を観終わった後、私はこのように感じずにはいられなかった。

HOKUSAI公式HP

この映画こんな方におすすめ! ~鑑賞のススメ~

  • 浮世絵や絵画が好きな方
  • 江戸時代の化成文化に興味のある方
  • 葛飾北斎に感銘を受けた方

作品あらすじ

「富嶽三十六景」など生涯を通して3万点以上の作品を描き残したといわれる江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の知られざる生涯を、柳楽優弥と田中泯の主演で映画化。

町人文化が華やぐ江戸の町の片隅で、食うこともままならない生活を送っていた貧乏絵師の勝川春朗。

後の葛飾北斎となるこの男の才能を見いだしたのが、喜多川歌麿、東洲斎写楽を世に出した希代の版元・蔦屋重三郎だった。

重三郎の後押しにより、その才能を開花させた北斎は、彼独自の革新的な絵を次々と生み出し、一躍、当代随一の人気絵師となる。

その奇想天外な世界観は江戸中を席巻し、町人文化を押し上げることとなるが、次第に幕府の反感を招くこととなってしまう。

青年期の北斎を柳楽、老年期の北斎を田中が演じ、重三郎役を阿部寛、人気戯作者・柳亭種彦役を永山瑛太、歌麿役を玉木宏をそれぞれ演じる。

監督は「探偵はBARにいる」シリーズ、「相棒」シリーズの橋本一。
(映画.comより)

化政文化とは

江戸時代後期の文化文政時代(1804年 – 1830年)を最盛期として、江戸を中心として発展した町人文化を指す。

化政とは文化・文政を略した言葉。浮世絵や滑稽本、歌舞伎、川柳など、一般に現代に知られる江戸期の町人文化の全盛期にあたり、国学や蘭学の大成した時期でもある。

葛飾北斎について

宝暦10年9月23日〈1760年10月31日〉- 嘉永2年4月18日〈1849年5月10日〉)

江戸時代後期の浮世絵師。化政文化を代表する一人。

富嶽三十六景とは

葛飾北斎による富士図版画集。

当初は「三十六景」の揃物の予定であったが、売れ行き好調のためさらに十点の追加になり、追加された十点は「裏不二」と呼ばれたそうです。

TRAILER

HOKUSAI公式HPより

ネタバレビュー・考察

葛飾北斎の一生を大きく青年期と老年期に分け、全体を1章から4章の4部構成でつくられた物語、1章、2章を柳楽優弥さん3章、4章を田中泯さんという二人が渾身の演技で芸術家の迫力を演じ上げている。

北斎は青年期の情報が少ないようで、この作品も2章と3章の間の時間が空きすぎているのがわかる、2章の終わりに北斎が結婚して子供ができたところで3章はいきなり老年期から始まっている、すでに北斎の妻は亡くなり娘が成人しているといった感じだ。

柳楽さんが監督と相談し、いかに情報量の少ない北斎の青年期を作るのかに頭を悩ませたというぐらいなので、2章と3章の間が空いていた事も苦労して1章2章を作り上げたのがうかがえる。

90歳まで生きたとされる葛飾北斎、彼が絵を描くことの情熱は死ぬまで燃え続けたに違いない。

まとめ

レビューでも記述したが、やはり観終わると2.5章が観たかったと正直感じざるを得ない。

ただ、キャスト陣の存在感と演技は本当に最高でした、特に主役の北斎を演じた二人の魂のこもった演技は今の日本人が取り戻さなければいけないものではないかと感じた。

映画『HOKUSAI』は北斎の魂が演者によって蘇った芸術性の高い作品であると思います。

GB

今回の鑑賞劇場

2021.5.28

MOVIX清水

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