親子の大きな愛のカタチ 映画『旅立つ息子へ』

子育てに関していろんな悩みを抱えている方、たくさんいらっしゃいますよね。

でもかわいい子供の為ですから、時間もお金も惜しみなくかけてあげたいですよね。

私にも息子がいますので、親が我が子を愛する気持ちを表そうとしたら、どれだけ体現してもしきれないくらい深くそして広いものだと言うことはわかります。

この映画『旅立つ息子へ』は、鑑賞後に形では表すことの難しい大きな親子の愛のカタチを感じることができるはずす。

この映画こんな方におすすめ! ~鑑賞のススメ~

  • 子を愛する親
  • 親を愛する子

作品あらすじ

「ブロークン・ウィング」「僕の心の奥の文法」で東京国際映画祭のグランプリを2度受賞しているイスラエルの名匠ニル・ベルグマンが、息子のために人生をささげる父親と、そんな父の愛情を受け止める青年の絆を、実話をもとに描いた人間ドラマ。

自閉症スペクトラムの息子ウリの世話をするため、売れっ子グラフィックデザイナーというキャリアを捨て、田舎町でのんびりと暮らしているアハロン。

別居中の妻タマラは息子の将来を心配し、全寮制の特別支援施設への入所を決める。

定収入がないアハロンは養育不適合と判断され、行政の決定に従うしかなかった。

しかし入所当日、大好きな父との別れにパニックを起こす息子の姿を目の当たりにしたアハロンは、自分が息子を守ることを決意し、2人の逃避行がはじまる。

2020年・第73回カンヌ国際映画祭(新型コロナウイルスの影響で通常開催を見送り)のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」作品。

ネタバレビュー・考察

アハロンは自閉症スペクトラムの息子ウリを特別支援施設へ入れる事のリスクを感じ、入所を拒否しているという実話ベースの物語です。

この作品は単なる父と子の感動物語ではないなと、すぐに感じとれました

人の親、またはウリと同じような障害を抱えた子と同じ様な状況の親がこの映画を観たら、感動よりももっと違う感情を抱くのではないのかなと思いました。

息子のウリが少しずつ成長していたのをアハロンは最後の別れ際に気づいたんですね、あのラストシーンはさすがに込み上げてくるものがありました。

自閉症スペクトラムとは

ウリがかかえている病気、自閉症スペクトラムについて、私はほとんど無知でしたのでこれを機に調べてみましたので、もし私のように自閉症スペクトラムを知らない方は一緒に目を通していただけたらいいなと思います。

自閉症スペクトラム障害とも呼ばれているそうです、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気で患者さんは、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手な場合が多いようです。

自閉スペクトラム症の治療の基本は「療育」(治療教育)で、一人一人の患者の状態や特性などに合わせた専用のプログラムを実施し、本人の力を引き出して徐々にできることを増やしていく治療法。

まとめ

最後にウリとアハロンが施設の前で離れ離れになる感動シーンがありますが、最後にホッとした気持ちになった方も多いのではないのでしょうか。

施設に入り成長の一歩を踏み出したウリ、アハロンはそんな息子ウリの姿を見て気づいたのではないでしょうか。

自分の寂しい気持ちよりも、友人ができてコミュニケーションをとれるようになった息子の成長した姿を見た事の方が嬉しいと。

私自身も息子の親であり、いろんな子育てや家庭でのいろんな局面を経験し年を重ねているせいか、最近は一映画に関して、特に実話ベースの作品に関しては良いのか悪いのか分かりませんが、あまり簡単に感情に流されるようなことはなくなってきました。

この作品は観る方によっては、感動はするけれど正直あまりピンとこない〝他人事〟のように感じる作品かもしれません。

しかし病気や怪我という大きなくくりで考えた場合、誰もが1秒先に同じ立場になる可能性がある事だと思います。

映画『旅立つ息子へ』を鑑賞した方が映画を観て得た大切な気持ちを、自分の周りにも与えていけるような人が増えたらいいなと鑑賞後に思いました。

今回の鑑賞劇場

静岡シネ・ギャラリー

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