司法制度の恐ろしさ 映画『私は確信する』レビュー

『私は確信する』
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フランスで起こった“ヴィギエ事件”を実写化した法廷サスペンス。

この映画こんな方におすすめ! ~鑑賞のススメ~

  • 推理小説が好きな方
  • 法律関連に興味がある方
  • 法律関係に携わっている方

2000年にフランス南西部に住む女性スザンヌ・ヴィギエが、3人の幼い子どもを残して失踪、殺人容疑がかけられたのは夫のジャック・ヴィギエ。
ただジャックには明確な動機がなく、決定的な証拠どころかスザンヌの遺体さえ見つからなかったため、ジャックは証拠不十分で釈放される、だがその10年後に控訴されジャックの殺人罪を問う裁判が始まる。
ジャックの弁護士デュポン・モレッティとジャックの娘に息子の家庭教師を依頼しているシングルマザーである主人公ノラが現在では精神疾患を抱え生きているジャックの無実を証明するために立ち上がる。

推理小説と同じで理解するためのポイントがいくつかあり電話記録からわかる登場人物をすべてその場で覚えようとすると混乱するかも、これは難解な映画の部類に入ると思う🤔(個人的に十分難解な部類💧)

・何故ノラがここまで事件に肩入れするのか
・250時間もの電話記録の整理(←最重要w)
・一審判決からの10年間隠されていた証拠
・常に世間を騒がす事を優先に仕事するマスコミ
・警察・裁判官とも交戦する弁護士
・正義の正当性とは何なのか
・司法は証拠のない人をどう裁くのか
・圧巻の最終弁論🙌

個人的にあげた上記ポイントに関しては事件中に解決していくものもあるし最後の最後に伏線として回収されるものもある。ただし事件自体がまだ解決していないので司法のあり方だったり嘘をついて自分を守らなければいけなくなっている人間が存在する社会自体が永遠の課題であり司法の在り方を考えさせられるものなのかもしれない。
今も犯人は捕まっておらずスザンヌの遺体も見つかってはいない、そもそも殺人か失踪かも明確になっていない。

驚いたのはフランスでは年間の失踪者が後をたたないようでその辺りもガチミステリーでもある、そういえば数年前に日本人女性も被害にあったニュースがあったばかりだった。

フランスと日本の司法の違いがわかればもっとこの映画に興味を持って観れるのだろうけどもちろんフランスと日本の司法の違いなどわからない💧
というより日本の家庭裁判所の隅にある1つの案件レベルしか法の案件は経験したことがない、陪審員に選ばれた事もないし裁判の傍聴もした事ないので冤罪というものがどうやって成り立ってしまうのかは予想するしかない。
そう映画の中でもキーワードになる“仮説”で想像するだけ。

誰かが嘘言ったら嘘で合わせるしかない状況ができ、気づけばたくさんの嘘で固められた壁の中に本来無実の人を閉じ込めて罪をきせる事が冤罪の王道なんだろうか。
その後も想像できる、もうそうなってしまえばそれが虚偽であっても徐々に時間が経つと世の中で正当性を帯びていくという恐ろしさ…

これはフランスだけじゃなく日本でも袴田さんの件なんかも有名だし実際に起こりうる事で、もっと言えば事件だけでなく普段の生活の中に冤罪の危険性が潜んでいるのかもしれない。
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1箇所だけホラー映画を凌ぐほどビックリするシーンがあるので注意が必要ですw⚠️😵

俺は椅子の上で飛び跳ねました💦
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コメント

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